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暗爽、闇退治中・活躍中
「レイフ、レイフ!散歩の時間よ。いらっしゃい。」
「ニャオーン!」
元気のいい鳴き声とともに、一匹の猫が家から飛び出してきた。
あれから二年後。
十二歳となった暗爽は、相棒のレイフと都会の一軒家に暮らしていた。
家族はおらず、一人暮らし。
学校に通っていない代わり、ネットや辞書で勉強をしている。
友達といえば、レイフだけだ。
レイフは、人からもらった。
異世界?
パラレルワールド?
とりあえずは、別世界という言葉が一番近いだろう。
その別世界にはフロリブダ王国という、国民誰もが特殊な魔法を自由に操る平和な国があった。
クラリアンと名乗る女性の精霊がその国からやってきたのは、暗爽が都会に引っ越してきて間もなくだ。
優しい黒い瞳に、ふんわりとした黄金色のショートヘアを持つクラリアンは、手に赤ん坊の子猫を抱いていた。
クラリアンは白いものと光るものを操るという大魔法を使う精霊だった。
これはものすごい魔法だ。
光るものなら、たとえ太陽でも操れるからだ。
そのクラリアンが暮らすフロリブダでは、大昔に暗爽の一族と友好関係を結び、ブレスレットに選ばれた者が現れると相棒を授けることになっている。
その相棒を授ける役を引き受けているのがクラリアンの一族なのだそうだ。
クラリアンたち一族が授ける相棒は必ず動物で、何か特殊な力がある。
レイフは、全身が美しい純白の体毛におおわれた白猫だが、闇に関わるものを見つけると体の色が変わり黒猫になるという特徴があった。
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