4 からの。

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「真紅……ごめんな」 「え? なにが?」 「いや……せっかくだったのに、こんなことになって……」 「いやあ、なんか慣れて来た。こういういきなりなこと。……それでなんだけど、私、黎と付き合ってるって言っていいの、かな?」 弥生さんは、私を黎の彼女と断定して連れてきたようだ。 けど、私の立場上簡単に話していいことでもない。 黎の右手が、私の左手を包んだ。 「当り前」 「……うん」 どうやら、このだだっ広い屋敷に入るよりほかはないようだ。 ここは鬼人の拠点。……陰陽師見習いである私には少し注意が必要な場所だ。 えーと……私の周り、一ミリくらいかな? に、結界を張って……。 桜城のおうちの空気を乱さないようにしなくちゃ。 霊力の波動がある程度強いらしい私は、近づいただけで滅してしまう妖異もあるそうだ。 鬼人の家の敷地内で、そして恋人の実家で、まさかそんなことをするわけにはいかない。 桜城一族は、妖異に寄ってはいなく、陰陽師の配下でもあるそうだけど。 私が何をしているのか、黎はわかっているようだ。黙って待ってくれた。 「誠! 美愛! 早く来てちょうだいっ」 弥生さんが先を行って、それに私と黎も続いた。
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