君が新たな君を構築するまで、俺がずっと傍にいてあげる

2/14
5人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
「いるならすぐに返事しなさいよ…っ…ふえっ…」 荒らげる声とは裏腹に彼女の表情はくしゃっと歪む。その瞳からポロポロと涙が溢れる。 「ごめんね、すぐ近くにいたんだけど…」 その泣き顔が見たかったから…なんて口が裂けても彼女には言えないな…。 俺が今まで見てきた患者は2タイプに分かれる。 依存型と拒絶型。 まぁ最初にあんな事を言うわけだから拒絶されても仕方ないんだけど。 彼女は完全に前者だ。 患者は基本、俺と生活を共にする。 俺は心理カウンセラー。 様々な事に傷つき、壊れそうな患者を敢えて一度壊すという方法で救おうとアプローチしている。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!