5人が本棚に入れています
本棚に追加
「(あれ……? 私……)」
どうやら気を失っていたようで、今の状況がよく飲み込めずにいた。
まだ意識がハッキリとはしていないが、辺りを見回してみる。
──体が動かない。
横からの圧迫感が強く、動くことができない。
「(え、な、何……? 体が動かない!)」
先程まで顔や、腹部、偶に太腿への打撃があったがここまで全身が動かなくなる程のダメージがあったのだろうか。
何故体が動かないか、理解した。
──いや、理解してしまった。
動かないながらも必死に掌で辺りをペタペタと触っていると、誰しもが触った事のある感触を感じた。
これは……。
「(……土?)」
土だ。土なのは解ったが、何故自分の周りを土の壁が囲んでいるのだろう。
答えは単純。
「(埋められる!?)」
気を失った事で自分が死んでしまったと勘違いし、証拠隠滅のために埋めてしまおうとしているのだ。
最初のコメントを投稿しよう!