私は優秀

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「え?」  千佳子がぼそりと呟いた声に、いつの間にか隣にいた美保が不思議そうな顔をして言った。 「何が、気づかれてるの?」 「にゃ、何もないよ」  危うく猫用語が飛び出しそうになり動揺する私に、美保がケタケタと笑い声を上げた。 そんな友人を見て、自分の失態を隠すそうとわざとらしく咳払いをする。  どんな時も上品で冷静沈着な私は、人間との関わりで動揺してはいけないのだ。
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