0人が本棚に入れています
本棚に追加
/1ページ
『あなたを嫌いな理由』
第一印象は、暑苦しいだった。
次に、少しの遠慮を覚えるべきだと思った。
朝も早くから
「おっはよー」
元気一杯の光。
僕は眩しくて、眩しくて、あなたを直視できない。
ため息にもにて頭を垂れていたら、
「どうしたの? 元気ないじゃん」
って、キラキラ全開で昇ってくる。
「今から起きるの」
重たい頭を持ち上げながら、僕は上を向く。
顔を見せた僕に、あなたは嬉しそうにもっと輝く。
「そうそう、君は顔をあげたほうが可愛いよ」
「可愛くなくていいよ」
「じゃあ、元気いっぱいの方がいいね」
まあ、それは間違っていないけど、あなたのせいで焼けそうなんだよ。
柔らかい光から、差すような日差しに変わる。
僕は今日もあなたに焦がされる。
空を見上げたら、雲ひとつない青空。
今日も暑くなるなぁ、あなたのせいで。
暑い、暑い、僕の顔も体も焦げちゃうよ。
だから僕はあなたが嫌い。
「今日も頑張っちゃうよ」
空から降る元気なあなたの声。
「頑張らなくていいよ」
控えめな僕の独り言。
サンサンと降り注ぐあなたの光を浴びながら、僕は黄色い花びらを広げたまま、茶色い顔をして、高身長の首を折り「もう降参」と、項垂れた。
それは、夕暮れ間近のことだった。
最初のコメントを投稿しよう!