花の都

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遠く離れた日本から、今日この日にフィレンツェ(ここ)へ来てること。そして、この場所に今、いること。 ……偶然……元同僚に会うなんて一体どれだけの確率なんだろう。 それは、もう……“運命”だって呼んでいいほどの確率じゃないのか? だけど、違うって言うんですね。神様、あなたはとても残酷だ。 風が……止んだ。彼女が俺の前に来た瞬間。 時を止めた。俺に気づかない彼女に、そっと背中を向けた。 それなら、出会わせてくれなくて良かった。 願いが一つ、叶うなら。
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