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仮面ライダーは未来を予見したSFであったのか?
石森章太郎が生んだ国民的特撮ヒーロー仮面ライダーは昭和、平成を超えて令和へと受け継いでいる。この9月から放映されてる仮面ライダーゼロワン。このゼロワンというタイトルは昭和ファンなら既にお分かりであろうが、石森氏のロボットものの特撮ヒーローキカイダーゼロワンと令和元年のヒーローの意を汲んでいる。
さて仮面ライダー誕生にまつわる話に戻るが、実はこの作品は仮面の忍者赤影やジャイアントロボの特撮で一山当てた東映が新たなヒーローを生み出すべく石森氏に依頼したことに始まる。そこで石森氏は機械型のサイボーグ009とは違う動植物をとりいれた改造人間を想像した。むろんバイクを駆使して戦う先のヒーロー月光仮面の影響もあったであろう。そうしてバッタの特殊能力をもった新たなサイボーグが生まれたのである。
テレビでは悪の組織ショッカーを相手に闘う正義のヒーローとして一大ブームを巻き起こした。
一方、少年マガジン、ぼくらマガジンに連載された漫画はさらに衝撃的な内容であった。改造された悲しみを持ちながらショッカーと戦い続ける本郷猛は志半ば命を落とす。その意志を受け継いで戦う2号ライダー一文字隼人。終盤一文字のピンチの際に現れた仮面ライダー1号、なんと本郷猛は脳だけは生きながらえてロボットライダーとして生還するのだ。
そしてショッカーの究極の作戦10月計画を打ち破った際、背後に日本政府が関与していたことが明らかになる。なんと国民番号制度を利用し、国民をコントロールしようとした計画であった。このアイデアをちゃっかりショッカーは頂き実行しようとしていた。ショッカーとの最終対決はないまま漫画版はここで打ち切られているが、余韻を残してる。
さて実際はどうだったかというと、当時の内閣は定かではないが国民番号制度を導入しようとしていたが、導入には至らなかった。これが実現するのはなんと2015年のマイナンバー制度。それほど個人情報の漏洩は慎重であったということだ。しかしどうだろう。現在個人情報の漏洩はマイナンバーはおろか、ネットでの大規模な漏洩がもはや社会問題化してる。この少し前起きたセブンイレブンのアプリの事件はその一例だ。
石森章太郎が漫画版仮面ライダーで警鐘したこの問題はすごい先見性があったんだなと今も感心するのだ。
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