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この日、龍さんは突然早朝に茉奈を叩き起こして、JRで尼崎から新大阪へ出て新幹線に飛び乗り東京へ向かった。
「龍さん、いきなりどこへ連れて行こうってゆうの?まだ眠たいわよ」
「こないだの見合いの話を進めようと思ってね。茉奈の意見も聞かなくちゃだから連れて行くことにしたんだ」
「あら、そんなこと。ワタシはもう高校生だし、龍さんのこれから連れ添う女性なら金髪や化粧の濃い水商売の人以外なら誰でもいいわ」
「誰でもいいって、茉奈、お前の義母(かあさん)になる女性だぞ、もっと、自分にとって将来にわたって良き理解者になって親身に相談できる親子のようにフィーリングの合う女性を選ばなくちゃいけないじゃないか」
「あら、龍さん。自分の奥さんじゃなくてまるで、ワタシの義母を探しに行くみたい。あはは、おかしい」
「茉奈、もし、お父さんがいなくなっても、お前が一人ぽっちにならないように、真剣にお母さんを探さなくちゃいけないよ」
「あはは、やっぱり、ワタシの義母を探すみたい」
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