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「入学おめでとう。皆さんは今日から高校生ですね。大人になる為の貴重な三年間を、この学び舎で過ごすことになります」  入学式が終わり、緊張と期待が満ち溢れた教室での最初のホームルーム。担任の小森先生は教卓の前に立つと、私たち新入生一人ひとりの顔を確認しながら、話を始めた。  小森みちる先生は女の先生で、数学担当。年齢は33歳。ちなみに独身。彼氏も募集中だそうだ。身長が170cm以上あって、足が凄く長くて、パンツスーツがとても似合う。小さくて、羨ましいくらいに整った顔に、ボーイッシュなショートヘアが似合っている。声も女性にしては低くて、宝塚の男役のトップスターみたいだ。  こんなカッコイイ女の先生が担任だなんて、私は何て幸せ者なのだろうか。眼福。目の保養。両手を組みながら、心地よい低音ボイスにうっとりしていた。 「そこで、高校生になった皆へ、私から一つ提案があります。これから始まる高校生活に向けて、目標を立ててみるのはどうでしょう?」  クラスメイト全員の自己紹介が終わった後で、小森先生は満面の笑みを浮かべてそう告げた。 「目標って? 一年生のうちから、志望大学を決めるってことですか?」
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