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   Syunpeiくんはモデル出身で、最近ドラマにひっぱりだこの俳優さんだ。すらっとした長身で、何よりも顔が綺麗。一日中眺めていられる程、好きな顔だ。スマホの待ち受けも彼にしている位だし。本物のSyunpeiくんが目の前にいたら、きっと鼻血が噴き出るくらいに興奮するんだろうな。    6・Syunpeiくん(生身)に逢う    ダメ元で書いておこう。ドラマの地方ロケがあったら、奇跡的なワンチャンが到来するかもしれないし。これで6つ目だ。あと一つは何にしようかな? 腕を組んで、うーんと唸る。改めてノートに書かれた目標を見下ろす。半分以上が恋愛に関するもので、大人が見たら「くだらない」とバカにされてしまいそうだ。いいんだ、これで。別に誰に見せる訳でもないし、あくまでも自己満足なんだから。JKの頭の中なんて、こんなもんだ! と、開き直る。 「藍菜(あいな)、ごめんね、お待たせぇ」  名前を呼ばれて振り返ると、廊下側の扉から、ののかとマミタスが、顔だけこちらに覗かせていた。 「ううん、全然大丈夫だよ。すぐ、帰る用意するね」  私は二人に笑顔を向けると、慌ててノートを閉じた。机の上の物を全て鞄に詰め込んで席を立つと、廊下で待つ二人の元へ駆け寄った。
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