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そうだ、異世界に行こう
「退屈じゃ……退屈すぎる……!」
黒を基調とした玉座に妾は座っている。
金色に輝く髪を指でくるくるとしたり、当たりをきょろきょろと見回して時間を潰そうとしているが……もう我慢の限界じゃ。
「暇なのじゃ!! いつまで妾はこの部屋にいればいいのじゃ!!」
全部悪いのは父上なのじゃ……。
勇者が城に侵入された度に妾をこの部屋の中に閉じ込める。
こんな事しなくても妾だって勇者ぐらい倒せるのじゃ!!
でも、父上は聞いてくれないのじゃ……。
昔は沢山聞いてくれたのに……。
「妾だって、異世界の一つや二つ妾の箱庭にする事だって出来るのじゃ!!」
妾は床に羽筆で黒い魔法陣を書きはじめた。
妾の指先から血を1滴垂らすと魔法陣は赤色に変わる。
最後に呪文を唱えれば妾は異世界に行くことが出来るのじゃ……!
「我、魔王の娘レベッカ・ガクレットは望む! 我が魔力を代償に異世界へと繋げたもえ!!」
魔法陣は赤く光り始める。
次第に光は強くなり視界が真っ白になった。
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