異世界とメイドと気持ち悪い奴と

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異世界とメイドと気持ち悪い奴と

「ここは……」 目が覚めると妾は地面に倒れておった。 雨が少し前に降ったのか地面はぐちゃぐちゃとしておる……。 ゆっくりと起き上がると妾の服は汚れておった。 メイドを呼ぼうとしたが、ここにはメイドも執事もいないことを思い出した。 仕方なく妾が直々に汚れを落としてやろう。 白いシルクの手袋が汚れるのは嫌じゃな……。 手袋を外すと、妾のクロックスストーンが光っておる。 クロックスストーンは妾のように特別な能力を持つ者にしか無いんじゃ! 妾は特別な存在なのだから、敬うのだぞ! 何故妾は説明しておるのじゃ……? まぁ、いいじゃろう。 軽く汚れを落として、当たりをきょろきょろと見渡す。 灰色のような謎の建物が沢山たっておる。 妾の城よりも大きいぞ!? 「君可愛いねぇ〜迷子かなぁ〜?」 声をかけられて振り返ると小太りの男がいる。 「なんじゃこの人間は」 「ツンツンのロリババァとは……!たまらんですなぁデュフフ……」 「……貴様、気持ち悪いぞ?」 「罵倒とは!最高のご褒美ですなぁ……!」 こいつ、ゆっくりと妾に近ずいてくる! こんな人間、妾がすぐに! 「真昼間から気持ち悪いもの見せつけないでくれます?」 黒髪に黄色い目の人間が気持ち悪い人間に何かを向けておる。 着ているのがメイド服じゃが、声からして男じゃろう。 向けているのは黒い物――マスケット銃に似ている。 「気持ち悪いとはっ……!?」 「早く離れないと……これ撃ちますよ?」 気持ち悪い人間にメイド服を着た奴に脅されて逃げていった。 気の弱いやつじゃな。
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