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小さいやつ
綺麗な緑に青、黄色を混ぜたような色の艶のあるからだを持つあまがえる。
かえるに対して言うのも可笑しいが、こんなオンボロ倉庫に似合わない、目を見張るほど輝いて見えた。
「ボクも隣で待ってもよろしいです?」
ひとつ大きく跳ね、この小さいかえるが言った気がした。
「・・・・・。」
長い沈黙を、規則的に奏でる倉庫を叩きつける雨が、私を平常心に保たせてくれていた。
私は気づいてしまったのだ。
私を見つめるこの「小さいやつ」の正体を。
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