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さらに10分後
雨のやむ兆しもなく、より一層雨音は強くなりここまで待ったから意地でも、雨がやむまで待ってやる。ひとり決意を固め、雨粒にあたりゆさゆさと、大きな花を揺らす紫陽花を眺めていると、小さな男の子のような声が聞こえた。
「すみません。お隣よろしいです?」
ちゃっかり敬語使っるな〜、なんて思いながら辺りを見回してみると、人なんて見当たらない。ここだって倉庫といっても板などの廃材置場以外置いているものも無い。だから、いくら小さい男の子といったって、隠れられるほどのものは、置いていない。
「・・・ん?」
空耳かなと思い、辺りを見回すのをやめると、突然小さな汚れひとつない、あまがえるが、とびはねながらどこからともなく近付いて来た。
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