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ハロウィンかぼちゃのドフィノワ風
【1】
店の入り口にはボリュームたっぷりのドライフラワー。ポンポンのような形状をしたピンクの千日紅だ。新鮮なうちに乾燥させたことで、色も香りも良いものができた。
「俺、やっぱり天才」
ヒロは満足げに腕を組む。
【…………】
ゲージの中から、じっとりした目で見ているのはハリネズミのハリーだ。
「そんな目で見るくらいなら、ハッキリ言えよ。料理もできて、センスも抜群、天才じゃなかったら俺はなんなんだ?」
常連客がつきはじめ売上も好調な『ハーブカフェ・玻璃』の店主ヒロは、余裕だ。
収穫祭をイメージした大麦やコーン、秋らしいふわふわパンパグラスなど、店を飾るドライフラワーも増し増しである。
【魔法を忘れた魔法使いの仮装をした爺さん】
「爺さん⁉」
ハロウィンの雰囲気を出すためにかぶった、黒のとんがり帽子がズルっとずれた。
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