65 ユーキ2

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「うっま」 「聞いてるのか、ユーキ」 「んぐ、んまい」 和菓子をガツガツ食べるユーキに、俺は少し呆れていた。 「ここは俺の主人が住んでる家だ。 俺は居候の身。 あまり汚さないでくれよ」 「こんなデカイ家に2人かよ、 イチの主人は金持ちなんだな。 で、主人はどこにいるんだ?」 「海外だ。 俺は留守を任されたんだ。」 ユーキは、へえ、と言う。 「イチを置いて海外に遊びに行くなんて、ちょっとひどくないか?」 「いや。遊びじゃない。 主人は表彰されに行ったんだよ。 貧しい国の人々に支援してるから。」 「・・そうか。いいやつだな。 ・・俺の父親も、イチの主人みたいだったらよかったのに」 「・・カツヒサは確かに、薬を売りさばいていた。 でも、お前の話はよくしていた。 きっと愛していたんだ、お前を。 死人に会えて話を聞けたらいいんだがな。」 「・・死人に話を聞くなんて。 あ・・ぷっ、くくく。」 ユーキは、急に笑い始めた。 「続きを話していいか」 「あ。ああ。いい。」 ユーキは笑うのをやめた。
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