66 もう少しだけ

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イヌイヌランドについた。 俺は彼にひっぱられたままだ。 「君、両手を出してくれないか」 彼は、店員さんに話しかけている。 「は、はい。」 ドンッ 店員の両手に、札束が五つ。 「うええっ!?」 「イヌイヌランド、貸切にしたいんだ。 今日1日でいい。 もし、私の言うことを聞いてくれたらこの倍は出そう」 「は、はい!!」 【・・あなたは、一体。】 「言っただろう、『私は金持ちだ』と。 金は、どんな人間だろうと頭を縦に振らせる私の最大の武器なんだよ。」 言ってることは悪人の言葉だ。 でもその笑顔は、何故か。 悪い人間には、見えない。 「若、失礼ながら」 「何だ、イチ。」 「先程から、・・どなたとお話されていらっしゃるのでしょうか」 そうか、もう1人の着流しの人には見えてないんだ、俺が。
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