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「すまなかったな、イチ。
ただのデカイ独り言だ。
お前を無視しているわけではない」
すっかりイチをほったらかしてしまったな。
「存じております。若。
何かございましたら、何でも仰って下さい」
「・・あとで、たい焼きをおごってやる」
「若、ありがとうございます。」
イチが、心なしか涙ぐんでるように見える。
父さんがよく、組の人間にたい焼きを買ってたみたいだからな。
【うっ、うっ・・】
何だ、こっちも泣いてる。
「どうした」
【妻や娘も、連れてきたかったな。
娘の成長した姿を・・この目で見たかった。
何で、何で、死んじまったんだ】
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