66 もう少しだけ

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「そ、その背中の虎は・・ てめえ、まさか天山組の!」 「まだ生き残りがいたのか!」 「殺せ!」 廃れた場所で、シルクハットの男を囲む。 こっちは頭数が多い。 ざっと20はいる。 すると、そいつは俺たちを見て笑った。 「腹、減ったなあっ。 君たち全員の魂、貰うね」 「何言って」 「た、助けうわあああ!」 「わあああ!」 みるみるうちに、地面の真っ黒い渦に俺以外吸い込まれ消えた。 「美味い、美味いっ。 ・・あとはキミだけだね」 「ま、待って・・ぜ、全部、話す。 あ、アンタ、麻生の、息子なんだろ。 トムとか言う。」 「その情報、他に誰が知ってるっ?」 近い。 その目はまるで、深淵に覗き込まれてるようだ。 「俺たちの頭の、よ、代々木さんだけだ。 て、天山組を滅ぼせって言ったのも代々木さんだ。 息子も組の人間だろうから、殺せって・・」 シルクハットのそいつは立ち上がる。 た、助かった? 足元がズブズブと底無し沼のように埋まっていく。 ゆっくりと。
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