66 もう少しだけ

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「・・もう、よろしいのですか?」 そんな二人を、私はある人物と眺めていた。 修羅場を潜り抜けたその身体中は、切り傷だらけ。 威厳のある、その刺青。 【ああ。・・トムとイチの姿を最後に見せてくれてありがとう。安原さん。】 天山組、組長の麻生夢二だ。 なかなかあの世へは行けず、トムの姿を見たいと言いこうやって私についてきた。 「・・息子さんにお会いしなくて、大丈夫ですか?彼には、霊感がある。 きっと、あなたの姿も見える」 【・・・いいんだ。 こんなクズ父親の顔なんて、あいつはみたくないはずだ。 ・・あいつの会社、オーグフーズセレクションだっけか。 前に行ったことがある。 ・・あそこで食べた練りきりと抹茶は、うまかったなあ。 あいつの舌は、本物だな】 彼はそういうと、ベンチに座る。 私も隣に座った。 「日本を代表する食品会社であり、今や世界にも沢山の支店がある。 この前、息子さんは海外で英雄にだけ送られる賞を受賞していましたよ。」
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