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「私を、何故連れてきたのですか」
安原は私の目を見て聞く。
嘘はつけまいな。
「・・喫茶店ばかりにいては、息がつまるだろう。
たまには、外の空気を吸って息抜きだ。
喫茶店のことはこの旅の間は忘れていい。」
それを聞いた安原は、安心したように微笑んだ。
「ありがとうございます」
「安原、私はお前に聞きたいことがある。」
「なんなりと」
「・・お前やタクは、人間か?」
声が小さくなった。
「はい?」
「いや、すまない。
何でもないんだ。
これから行く所は、食べ物が美味しい国だ。
屋台もあって、それらもなかなか旨い。
私が出資してる介護施設がある。
そこに少し寄らせてくれ。」
「ええ。」
心なしか、安原が嬉しそうに見えた。
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