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「記憶を、取り戻すだと?」
この安原、という奴は何を言っている?
喫茶店で。
俺は、安原とか言う奴の言葉に首を傾げていた。
「サトシ君、何言ってるのっ?」
「・・ただし、願いが叶いましたら【代償】を頂きます。
紅茶を飲めば、願いが叶います。」
おいおい、手品師の言葉は無視か?
紅茶を目の前に出された。
「願いが叶う喫茶店か。
噂で聞いてはいたが・・
まさか実在するとはな。
紅茶を飲めば願いが叶う、か。」
「いかがいたしますか」
「やめとくよ」
「かしこまりました」
「行かないといけないんだ。
すまない」
俺は立ち上がる。
「どちらへ?」
「依頼人が【契約違反】をしたんでね」
「消えちゃったねっ、サトシ君」
「ええ。
りーくん、あなたは
・・いない」
私は、誰もいなくなった喫茶店で呟いた。
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