67 掃除屋

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「記憶を、取り戻すだと?」 この安原、という奴は何を言っている? 喫茶店で。 俺は、安原とか言う奴の言葉に首を傾げていた。 「サトシ君、何言ってるのっ?」 「・・ただし、願いが叶いましたら【代償】を頂きます。 紅茶を飲めば、願いが叶います。」 おいおい、手品師の言葉は無視か? 紅茶を目の前に出された。 「願いが叶う喫茶店か。 噂で聞いてはいたが・・ まさか実在するとはな。 紅茶を飲めば願いが叶う、か。」 「いかがいたしますか」 「やめとくよ」 「かしこまりました」 「行かないといけないんだ。 すまない」 俺は立ち上がる。 「どちらへ?」 「依頼人が【契約違反】をしたんでね」 「消えちゃったねっ、サトシ君」 「ええ。 りーくん、あなたは ・・いない」 私は、誰もいなくなった喫茶店で呟いた。
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