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「3日で退院とか速いねタカシ。」
「来てくれてありがとうな、ユージ。」
タカシの荷物を持ち、病院から出た僕はそんな彼の言葉に首を降った。奥さんの春菜さんが仕事だから、代わりに僕がタカシを迎えに来た。
タロットカードが入った袋が、ポケットで揺れた。
「まあ、俺は体だけは丈夫なのさ。はは」
「もう明日から授業出来んでしょ?」
「そうなんだよ、生徒たちに会えるのが楽しみだ。」
・・・・。
沈黙。
「アオイちゃん、行方不明になっちゃったね」
「・・・ああ。」
「噂だと、あの都市伝説の願いが叶う喫茶店で願いを叶えた『代償』で、悪魔や死神に魂を取られていなくなったって言われてるけど」
僕の言葉にタカシは、歯ぎしりしてた。
「何が都市伝説だ。何が悪魔だ、死神だ。そんなものは実在しない。全部数学で証明出来る。・・信じるものか。
ユージ、願いが叶う喫茶店を探そう。」
「どうして?」
「アオイは、そこで願いを叶えたからおかしくなったんだ。
・・何でアオイの願いを止めてくれなかったんだ。願いを聞いたヤツを俺は許さない。」
タカシは、力強く言い放つ。
「うん・・ちょっと怖いけど。
僕も探してみるよ。」
僕も笑った。
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