2 親友に会いたい

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カラン、カラン。 「すみません、今日はもう終わりなんで・・あ、タカシ。」 「よう、ユージ。」 授業を終えたタカシが今日も来た。 僕達はこうやって毎日集まり、願いが叶う喫茶店について調べている。 ほい、とタカシがコンビニの袋から僕の好きなバナナジュースを渡してくれた。コーヒーを手に取りパイプ椅子に座るタカシ。 「ありがとう。」 「何かわかったか?」 「願いが叶う喫茶店に実際に行ってきた人を探したんだ。 そしたらさ、1人だけいたんだけどその人、今は海外飛び回ってるらしくて」 「誰だ、その人は。」 タカシがすごい目で僕を見る。 「フォトグラファーの佐久間(さくま)(しん)って人。 彼の家族が今日占いにきてさ。 話聞いたらそう言ってた。何とか彼に連絡取れないかお願いしてるところ。」 「・・そうか、これからどうする。ずっと連絡が来ない可能性もあるぞ。」 僕はずれた帽子を直し、パイプ椅子に座り。 タロットカードを出して机上でシャッフルした。 「タロットに聞こう。・・カードが全てを知ってるはず。」
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