118人が本棚に入れています
本棚に追加
カラン、カラン。
「すみません、今日はもう終わりなんで・・あ、タカシ。」
「よう、ユージ。」
授業を終えたタカシが今日も来た。
僕達はこうやって毎日集まり、願いが叶う喫茶店について調べている。
ほい、とタカシがコンビニの袋から僕の好きなバナナジュースを渡してくれた。コーヒーを手に取りパイプ椅子に座るタカシ。
「ありがとう。」
「何かわかったか?」
「願いが叶う喫茶店に実際に行ってきた人を探したんだ。
そしたらさ、1人だけいたんだけどその人、今は海外飛び回ってるらしくて」
「誰だ、その人は。」
タカシがすごい目で僕を見る。
「フォトグラファーの佐久間信って人。
彼の家族が今日占いにきてさ。
話聞いたらそう言ってた。何とか彼に連絡取れないかお願いしてるところ。」
「・・そうか、これからどうする。ずっと連絡が来ない可能性もあるぞ。」
僕はずれた帽子を直し、パイプ椅子に座り。
タロットカードを出して机上でシャッフルした。
「タロットに聞こう。・・カードが全てを知ってるはず。」
最初のコメントを投稿しよう!