2 親友に会いたい

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「これは?」 出たカードを俺はまじまじと見た。 赤い服を着た男が、片手を上に伸ばしている。 机の上には色んなものが置かれていた。 俺から見て、反対になっている。 「魔術師(マジシャン)の正位置だね。 タカシ、誰かに会おうとしてるみたいだけどそれはした方がいい。たぶん、彼は味方だ。」 「え」 何でわかったんだ。 俺の鞄には、洗濯をして綺麗に畳まれた黒いスーツの上着が入っている。 「その彼に会えれば、その1歩が踏み出せれば、何かが新しいことが始まる・・。新しい情報が入ってくると解釈した方がいいね。」 ユージは、真剣な眼差しで俺を見た。 俺は頷いて立ち上がる。 「ちょっと、出かけてくる。 ユージはその、シンさんって人を追ってくれ。」 「気を付けてね、タカシ」 「ああ」 鞄の中に、今日の夜のマジックショーのチケットが入っている。 妻にせがまれて2枚取ったんだ。 今みたいな速い時間に会場に行けば、きっと会えるはずだ。
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