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「カズ、食わないの?冷めるよ。」
ハッとした俺は、目の前のグラタンを見た。
シンとよく来ていたファミレスに入ったんだった。
不思議そうな顔をしながら、シンは俺を見た。
癌であることは、シンには言えない。
「シンあのさ・・話があるんだ」
「ん?僕に話?
いっただっきまーす!」
クリームやバナナが沢山入ったパフェをシンは食べている。
追加で頼んだチョコレートをたっぷりかけていた。こいつの甘党は昔からだ。
「お前とは絶交だ」
カラン
スプーンを、シンは落とした。
魂が抜けたような目で、信じられないという目で俺を見ている。
苦しむ俺のせいで、夢を諦めさせたくない。
だったら、お前には別の道を歩んで欲しい。
お前は頭がいい。その頭のよさを使えば医者でも弁護士でも、何にでもなれる。
「・・うそ、だろ。カズ。
何で、何でだよ!僕は君と一緒にさ!
・・夢を追いかけるって言ったじゃん!」
「その感情が気持ち悪いんだよ!
ホントうざい。
・・てかお前ロリコンじゃん。小さい子大好きだろ。それもムリ。
あと、カズって呼ぶの止めてくんね?
じゃあ俺、帰るから。」
シンがロリコンだってことは、ホントは全く気にしてない。
それでも俺達の夢に弊害は全くない。逆に得かもしれない。
固まるシンを見ながら、俺は立ち上がる。
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