2 親友に会いたい

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ファミレスを後にした。 涙が止まらない。 一ツ橋高校だって、俺達は一緒に受験した。 あいつは頭が元々いいやつだったから模試はいつもA判定。 俺はいつもC判定で。 一緒に高校行きたかったあいつは深夜まで、俺に勉強を教えてくれた。 だから今、こうして一ツ橋高校に通える俺がいた。 シンには恩があった。 その恩を仇で返してしまった。 「!・・ごふっ!」 血を吐いた。 その真っ赤な液体に、俺は驚く。 周りが騒然とし、救急車の音がする。 気がついたら、倒れてた。 「進行が速い・・ここまでとは」 40代ぐらいのその男性の医者は、あの時俺に癌と言った江田先生だった。 顔を歪め俺の体を見ながら言った。 「っ、う、あ」 声もうまく出せない。 「僕はあなたの主治医の江田(えだ)康之(やすゆき)です。 最後まで、諦めず頑張りましょう」 頷けなかった。 俺の命は、あと2週間。 ベッドで過ごすことを余儀なくされ。 あれ以来、シンとは連絡を取っていない。 夜中。 天井を見上げながら思う。 ・・あんなこと、言わなきゃ良かった。 声が出せないから仲直りも出来ない。 このまま、仲直りしないで死ぬなんて。 緑色の帽子をギュッと握る。 カラン、コロン。 「いらっしゃいませ」 暗闇から、声がした。
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