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「えっと、待ち合わせ場所はここだったけか。」
ご家族がシンさんと連絡が取れたらしい。
夜中の公園で待ち合わせしたい、とのことだったが。
誰もいない。
おかしいな。
夜中の公園は薄気味悪い。
「わっ!」
「にゃー」
僕はビビりだから、そこを歩く猫にまで声を上げてしまった。
ふと見ると、ベンチに座っている男性の後ろ姿が。
虹色の派手な服を着てる。
間違いない。彼だ。
「遅くなって申し訳ありません、ご連絡した舛方です。」
「・・・・。」
その後ろ姿に声をかけたが、反応がない。
手を肩にかけた。
ごとっ
首が
落ちた
髪がボサボサになり、口から血を吐いて。
顔が、血が抜けたかのように真っ青だった。
その虚ろな目は、僕の目と合う。
「っ!あああああああああ!うわああああ!
ああああ!」
後退りした。体が震えて止まらない。
携帯を取り出そうとしても、うまく触れない。
そ、そ、そうだ、タロット。
タロットを・・だ、だ、出して
出して、ど、どうしよう。
焦りながら後退りをした僕は、誰かとぶつかる。
慌てて立ち上がると、緑色の服を着たカッコいい男性が目の前にいる。
「・・・お前、見たな」
「こ、こ、こっ、殺さないで!んぐ」
「黙れ」
彼は僕に手を伸ばし口を塞いだ。
死体からかなり離れた茂みに連れていかれる。
彼のもう片方の手には、緑色の大きなハサミ。
殺される。
気がつくと泣いていた。
そんな僕を見て、彼はため息をついて口から手を離した。
僕は恐怖で震えながら声を出す。
「や、やだ・・死にたくな」
「もういい、寝てろ」
「う”っ」
腹部に重たい衝撃を受けた。
そのまま倒れそうになる体を抱えられた気がする。
目の前にモヤがかかる。
・・嫌だ、怖い。
殺される。僕はこのまま殺されてしまうんだ。
・・タカシ、助けて。
僕は意識を手離した。
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