2 親友に会いたい

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小宮(こみや)学長・・」 髭を蓄えたおじいさんが、僕達の前に来た。 「タカシ、知り合い?」 「東専大(とうせんだい)の学長だよ。俺はこの人から教授のオファー受けてたんだが断ったんだ。」 「舛方君とか言ったね。・・あの死体を見つけた後に殺してやろうと思ったが、思わぬ邪魔が入ったよ。 ようやく見つけた。・・死んで貰うよ」 ナイフを彼は持っている。 僕は怯えた。タカシが僕の前に出る。 「願いが叶う喫茶店のことを知られたら、不味いことでもあるんですかね、小宮学長。」 「ああ。君たちは関わらなくていいんだよ。そこは私が見つけるんだからな。 私だけが何度でも願いを叶えられるようにする。まずは世の中を頭の良い人間だけにする。人間性などいらん。 小野君、キミみたいに人を大事にする熱血教師はもう古い。時代は変わったんだよ。」 タカシはため息をついた。 「・・小宮学長、いつからあなたはそうなられたんですか。 『キミの数学の力が必要だ』と俺に仰ったのは、あなたなのに・・。もう、俺みたいな人間を大事にする教師は必要ないんですか?」 「もちろんキミも諦めてないよ、小野君。 私についてくるんだ。」 小宮さんの目が赤く染まった。 タカシは、何かに操られるかのようにゆっくり彼の所に歩いていく。 僕はその腕を引っ張った。 「タカシ、ダメだ!あんなやつの所に行ったら!」 「舛方君、動くな」 その赤い目を見た瞬間。 え 僕の体が凍ったように動かなくなる。
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