2 親友に会いたい

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「藤本様、あなたの願いは何でしょうか。」 「や、うあ、らさん。 し、ん、に・・あ、い、らいれす。 あや、らり、たい」 俺は、つたない言葉で精一杯伝えた。 もう、俺の命は尽きてしまう。 来月も来年も、過ごせない。 カレンダーの「1994年9月」という数字が、滲んで見えた。 安原さんは頷く。 「親友のシン様にお会いしたい、謝りたいと。 病気を治すことも出来ますが、そうではなくても宜しいですか?」 病気を治しても。 また、同じ態度でシンに当たってしまったら意味がない。 今、この状態なら。 恥ずかしがらずに、シンに伝えられるような気がするんだ。 「ら、い・・。 し、ん、・・り、つ、らえらい、ころ・・あり、らす」 どうしても、シンに伝えたいことがある。 この言葉で、どのくらい理解されるかわからないけど。 アイツは頭がいいから、大丈夫のはずだ。 「かしこまりました。では、この紅茶をお飲み下さい。 『代償』は、あなたの寿命を13日頂きます。」 震える手で紅茶を飲む。 俺の命は、あと1日になった。
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