2 親友に会いたい

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「カズ! ・・じゃなくて藤本。ごめん、カズって呼ぶなって言ったよね」 シンが病室に入ってきた。 ベッドの俺を見た。 無理してニコニコ笑ってるのはわかっていた。 ホントは、凄く心配してくれてる。 嬉しい。 俺の命は今日までだ。 一緒に入ってきた江田先生も知らないが。 ただ、先生は俺の顔色を見て明らかに慌てていた。 「キミ、・・あれを持って来てくれ」 看護師に指示を出している。 構わず、俺はシンに話す。 「し、ん、ち、ら、う」 「え?」 「ちらうんら」 「脈、低下!」 身体中に色んなものを巻かれたり刺される。 このままでは伝える前に死んでしまう。 違う。 違うんだ。 「きる、つけ、れ、 すら、まい。」 シン。 お前を傷つけてすまなかった。 絶交なんてしたくなかった。 不治の病だって言って、心配かけたくなかったんだ。 もし。 お前が俺を許してくれるなら。 たとえ俺の命がここで消えても。 俺達は、永遠に親友でいたい。 頼む、伝わってくれ。 「僕も・・ぼぐもだよお藤本! おまえど!ずっと親友でいだいよ!」 シンは、涙を流しながら言う。 俺の考えてること、伝わってるのか。 ・・安原さん、ありがとう。
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