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「おや、君たちは・・?」
『俺』とタク君の前に現れたのは、白衣を着た60代ぐらいの男性だ。
「俺っちタク。こっちは『りーくん』。
ユキエっちがさ、あんたを殺して欲しいってさ。
ダメだよ、彼女には先生になりたいって夢あんのにさあ。圧力で押さえつけちゃ」
タク君が、赤いハサミを持ちながらニコニコしてる。
灰色の岩に座り、男性・・江田康之先生は答えた。
「ユキエか。・・はは、私も老いてモウロクしてしまったみたいでね。
彼女に医者の夢を押し付けてしまったよ。
教師になりたいという気持ち、認めてやれば良かったな。理解してはいたんだ。」
「・・今さら後悔?バカじゃないの。あんたみたいなダメ医者さ。死んだ方がいいよ。
『りーくん』。ギッタギタにしちゃえ。」
タク君が子供のような表情で、『俺』に笑いかけた。
「もちろんだよっ」
ヨースケの姿をした『俺』の手は、何故か震えた。
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