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LIFE=MATH。
授業が終わり、自転車を押しながら俺は校門を出た。
放課後。
願いが叶う喫茶店のことを調べる時間だ。
ユージは、最近外に出たがらない。
シンさんの変わり果てた姿を見たからだ。
ブルブル震え、部屋にとじ込もっているらしい。
あとで、見舞いにでもいくか。
これからは、俺が調べないとダメだ。
メガネをくいと上げ、歩いていると。
タバコ屋で話す男性がいた。
「おばちゃん、ラッキーストライク。」
「あら、ケイスケ君!久しぶりじゃないの!
ラッキーストライクね、はい。あと、コーヒーもいいわよ。おばちゃんのおごり。」
「あんがとな。」
・・目付き悪い人だな、あの人。
そう思いながら通りすぎ、また歩く。
「悪かったな、目付き悪くて」
「わっ!」
いきなり目の前に、さっきの男性が現れた。
「驚かせてすまない、俺はこういうもんだ」
彼は名刺を俺に渡してきた。東さんと言い、刑事さんだった。そこにあるベンチに並んで座る。
ラッキーストライクの箱から、1本差し出された。
「やるか?」
「いえ、俺はタバコ吸わないんですよ。
これでも学校の先生でしてね。はは。」
生徒達の模範とならなければいけないんだ、タバコなんか吸うわけない。
ユージは、タバコの匂いがしただけで発作起こすし、妻にそんな匂いさせたものを洗濯させたくない。
「生徒達の模範となる、か・・優しいんだな、見習いたいぜ。」
「いえ。・・え?」
なんで、彼には俺の考えてることがわかるんだ。
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