3 LIFE=MATH

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「パパ、今日はトンカツだよ!ミクもお手伝いした」 「そっか、ミク。偉いね」 ヨースケがミクちゃんの頭を撫でている。 ・・羨ましい。 「ミク、準備してくるね!」 ミクちゃんがトコトコと歩いて行くのをみたアタシは、ヨースケに話しかけた。 「ヨースケ、そっちはどう? 信太郎さんの体、取り戻せそうかしら。」 「中々、体を解放してくれません。何回か説得はしてるんですが。 ・・何とかします。」 「そう・・。」 ミクちゃんがいるから、まだ笑顔になれるけど。 1人じゃ、寂しい。 信太郎さんに側にいてほしい。 いつまで海外飛びまわってるのよ。 いつまで待たせるのよ。 ・・速く帰ってきて。 項垂れてると、ポンと頭に手を置かれた。 見上げると、ヨースケはニコニコ笑っている。 抱きしめられた。 「大丈夫。離れてたっていつも心は1つだ。 『俺』はマイの側にいる。 何があっても、守るよ。 ・・そして必ず、マイの隣に戻るからっ」 ヨースケの声だけど。 外見も身長も全然違うけど。 涙が出てきた。 愛する人は、いつもアタシの側にいる。 その小さな体の背に手を回し、安心しながら目を閉じた。
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