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LIFE=MATH。
過去を清算して克服。
・・そうか。
「大丈夫っ?タカシ君。顔が青いよ」
「はい、ちょっと座りましょう。」
公園のベンチに、りーくんと2人して座る。
俺は、鞄に入れているモノを見た。
薄い字で「たのしいさんすう」と書かれているそれは、真っ二つに裂かれてる。
「何かの液体」で、ガビガビになってる彫刻刀が3本。
「それはっ」
「・・・聞いてくれますか、りーくん。」
・・考えてみれば、今日だ。
『トラウマ』が出来た日は。
ユージの店に足が向いたのも、それが関係してるのかもな。
「うんっ。聞くよ。」
「30年前の今日。俺は人を殺しましてね。
・・親友の母親を、この手で刺し殺しました。
この彫刻刀で。
ユージの母親は、毎日酒を飲んではユージに暴力を振るってた。あいつの家に行ったら、殺されそうになってたユージがいた。
だから、殺しました。」
「・・・・。」
りーくんは黙ったまま、俺を見つめた。
・・さすがに、軽蔑したよな。
「生徒達の為にと毎日言っているようなヤツが、人殺しなんですよ。
・・笑えませんよね」
ずれたメガネをくいと上げる。
何か、俺の周りに黒い影みたいなのが集まって来てる。
何なんだ、これは。
りーくんは俺を見て少し微笑んでから、いつの間にか持ってたステッキを振る。
黒い影は、消えた。
「・・タカシ君。
キミは、ホントに面白い人だよねっ」
「え?」
「いや、何でもないよっ。
・・本当は、ユージ君が母親を殺したんでしょ?」
!
「・・な、何を言って」
「来て欲しい所があるんだっ」
彼はまた、ステッキを振る。
カラン、コロン。
?
いきなり、喫茶店に場面が変わる。
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