3 LIFE=MATH

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ぴちょん。 ぴちょん。 ・・? 水滴の、音? 冷たい。 顔に当たってる。 目を開けると 血の中に俺はいた お風呂のように全身を包んでいる ぴちょん ぴちょん 血がどこからか垂れてきて、俺の顔についてる。 体を動かそうとしても、まるで血が俺の体を掴んでいるように動かせない。 「何だ・・何なんだ」 でも 少し気持ちいいかも 温かくて 何だか このままで いいかな ズズ、と体が沈んでいるのがわかる。 すごく気持ちよくて、どうでもよくなってきた。 あ あ へへ。 ほら、意識も手放せ。 気持ちいいだろ? あたまで、こえがする なんだ だれか いしきに、はいってきた きもちいい そうだろう? もっと気持ちよくなれるぞ。 俺たちは死神だ。 俺を受け入れろ。 人を殺しまくろう。 いや、だ そうだとしても その、ちからは だれかを、まもるために しぶといな これならどうだ? さらにきもちよくなる もう うけいれようかな ああ まぶたが、おもい 薄れる意識で見えた。 誰かが横に立ってる。 《体を完全に支配されかけてるな、気をしっかり持て。》 声がする方を見ると、《俺》が血の外側で立ってる。俺を引っ張りあげた。 血から出た瞬間、ハッとする。 俺は何を考えていたんだろう。 目の前にいる人物を見た。 姿は《俺》だが、真っ黒いモヤがかかり。 牙が生えていた。 《大丈夫か?タカシ》 「ありがとう。 ・・誰?」 《俺はお前だ。 ・・死神なんだよ、お前は》 「は? そんな存在、数学で証明」 《出来ない》 そいつは、俺を否定した。 「そんなわけがない!」 《りーくん、優しくていいヤツだよな。 あいつも死神だ。》 笑うそいつを、俺は睨む。 「ウソをつけ!りーくんに何かする気か?俺が許さないぞ!」 《・・受け入れてなんて、くれないよな。 もし俺を受け入れてくれる気があったら、いつでも来てくれ。この血は消しておくから。 ・・受け入れてくれたら俺はお前の中にいるだけだ。主導権は常にお前のものだ。お前やユージが危なくなったら力を貸してやる。 悪さはしない、約束するよ。 この力は、誰かを守るために俺も使いたいから。お前さっき言ってたもんな。》 意識が遠ざかる。
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