3 LIFE=MATH

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LIFE=? 「俺が行った時、包丁を振り上げたユージの母親がいたので・・この教科書で1回は防いで。 それでも向かって来たので、・・この彫刻刀で首と胸を1回ずつ」 「刺したのは首と胸だけか?」 ケイスケさんは、間髪入れずに聞いた。 僕は黙って紅茶を淹れる。 「はい」 「・・いいや。あんたには殺せないよ先生。 生徒、親友、奥さん。それだけ相手を思いやれるあんたが、人殺しなんか出来ない」 ラッキーストライクの箱を、トントンとテーブルで叩くケイスケさん。 「俺がやったと認めてますが」 小野様は、ずれたメガネをくいと上げた。 その目は、何かを訴えてるようだった。 【ユージを守らないと。】 小野様の心の声が、聞こえる。 タクさんと契約したケイスケさんにだって、聞こえてるはずだ。 「・・先生が刺したのは足と腕だ。そのあとに殺したのは」 「俺です!」 【俺なんだよ!・・俺だ! 俺がやった。・・そうすれば解決するんだ】 「タカシっち。 正直に話して。殺したのはユージっちでしょ?」 タクさんが、目を赤くして小野様を見る。 「・・は、い。 ユージ、が、首と胸を、刺しま、した。 俺は、足を刺しました。その後ユージの母親に、灰皿で殴られ、ました」 小野様の目が赤くなり、口が勝手に動いている。 悪魔は、死神を操れる。 悪魔同士、死神同士ではお互いを操れない。 林道さんは別格だ。悪魔も死神も操れたり従わせられたりする。 でも、小野様は林道さんの「死神の目」が効かなかった。 慎重に、やらないと。 「うんうん、聞き分けがいい子だね。タカシっち♪ ヨースケっちの目を見て?」 彼は、言われるがまま僕に視線を合わせた。東さんがそれを見たと同時に言う。 「・・ヨースケ、頼む。」 「小野様。僕の目をそのままずっと見ててください。」 場面が飛んだ。
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