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LIFE=?
ぼろぼろの部屋。
あの時の、場面だ。
体育座りしてる上半身裸の男の子は・・。
小学生の時のユージ。俺の親友だ。
俺は、膝をついて動けない。
「ひでぇな。
こいつが、舛方雄二か。」
その声のあとに。
「そうですね、ケイスケさん。
虐待して、この部屋に閉じ込めてたみたいですね。すごく痩せ干そってます。
満足に食事も与えられてません。」
シルクハットを触りながら、ため息をつく町田さんと。
「俺っち、もうイライラしてきたよ。」
そう言う赤い髪の毛の男性。
「・・・。」
昔の俺が入ってきた。
『おばさん!ユージに謝ってくれ!』
『邪魔するならああああ!』
「たのしいさんすう」と書かれた教科書が真っ二つになる。
俺は、彼女の腕と足に彫刻刀を刺した。
両手が真っ赤に染まる。
ユージの母親はうずくまる。
『ユージ、逃げ・・うっ!?』
ガツン
頭に衝撃を受けた。
ユージの母親が、灰皿で俺を殴っていた。
その目は血走り、腕と足からは血をドクドク流している。
意識が朦朧としたが、何とかユージのそばに這いずって近づいた。
彼はガタガタ震えながら、俺を見た。
『ユ、ユージ、逃げ、ろ』
『・・や、やだ・・僕も、戦う』
その目からは涙がポロポロ流れてる。しかし決意したかのように俺の前に出て、震える手で彫刻刀を抜いた。
そこから血が吹き出し、小さな体にかかる。
血だらけの顔。
血だらけの全身。
そのユージはまるで、鬼のように見えた。
『タカシを、こ、殺すなら・・、ゆ、許さないぞ』
『ユージ、や、やめ、ろ・・』
何とか彫刻刀を取り返そうとしたが、意識がなくなった。
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