3 LIFE=MATH

24/25
前へ
/1212ページ
次へ
LIFE=LAUGH&PEACE 「ヨースケっち」 「はい」 「・・あの時、何で泣いたのさ。」 タクさんはホットチョコレートを飲んで僕に聞きました。 「・・・・。 後悔していました。願いを聞いたことに」 「ヨースケっちが後悔したらさ。 ・・サトシっちがやってきたこと、全部ムダになっちゃうよ。 やらないとダメだよ」 僕は、うつむいた顔を上げた。 「そうですね。 でも僕は出来る限り、『平和に解決したい』ですね。『皆を笑顔』にして返したいのです。 僕の人生とは、笑顔と平和です。」 「・・そっか。」 僕の中にいる『彼』は、ぐっすり寝ていた。 緑色の帽子を持ち、安心しきった表情で。 いい夢を見てるのか、とても幸せそうだ。 【ヨースケ。お前が芸人やりたいなら応援するよっ。皆を笑顔にしたいならね。だから速く芸人なりなよっ。】 【本当ですか林道さん!ありがとうございます!】 まだ若い僕は、今と変わらずキラキラした笑顔の彼に頭を下げる。 ・・それは遠い昔の出来事。 皆を笑顔にしてきた人が、願っているなら。 僕は、それを追い求め続けよう。 「俺っちの人生は、チョコレートかな。 甘くて美味しいし。」 ホットチョコレートを眺めながら、タクさんは頷いた。 「吉本さん。 ・・あなたの予想通りでしたよ」 ラッキーストライクの箱から、タバコを出して火をつける。 バナナが置いてある墓前を見て、俺は笑った。 「あなたの息子も、同じ予想をしてました。 親子ってやっぱり似るんですね。俺の母さんとっくにいないけど。 ・・生きてたら、俺も母さんみたいに笑顔で接してる人間になってたのかな。 俺の人生は、「笑顔」でもいいのかもしれませんね。 ・・らしくないですかね。」 吉本さんも笑ってるように見えた。
/1212ページ

最初のコメントを投稿しよう!

118人が本棚に入れています
本棚に追加