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LIFE=MATH。
そう!
LIFE=MATH。
俺の人生とは数学だ。
俺のやりたい「数学」が出来る日は、いつだろうか。
「あなた、行ってらっしゃい」
入り口前で、妻はニコニコしていた。
「速く帰って来るからね!気分優れなかったらすぐ連絡してね!それか救急車呼ぶこと、わかった!?」
「わかってるわよ、もう。夜ご飯は麻婆豆腐にするわよ」
「ううん俺が作るから!ああ遅刻する!行ってきます!」
ニコニコして手を振る妻の姿を見ながら、自転車に飛び乗る。
息子が生まれたら。
やりたい「数学」が増える。
やはり、数学とは無限の可能性や命題を秘めた面白いものだ。
数学に始まり。
数学と共に生き。
数学と共に死ぬ。
生まれてくる子供に最初に教えたいのは
「素数」かな。
いや俺の息子だ。
いきなり定理を教えてもいいかもしれない。
将来は数学者にしたい。
それが俺のやりたい「数学」の一つ。
「数学者は語る/松江正人著」
と書かれた本が、鞄から頭を覗かせている。
それを押し込み、また自転車を走らせた。
やはり息子には、これを読ませよう。
そう!
俺の息子も。
LIFE=MATH。
なのだ。
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