4 治したい

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「・・・・。」 僕は店で1人。 タロットカードを並べる。 いつもこうやって、開店前はカードを並べて。 カードとコミュニケーションを取るんだ。 このカードは、僕の師匠である水上(みずかみ)マキコ先生の遺品だ。 マキコ先生は5年前に亡くなった。 占いをしたいと言った僕を弟子にしてくれて。 僕に占いの基礎をしっかり教えてくれた。 マキコ先生には、拓哉(たくや)君という息子さんがいたそうだが、若くして亡くなったらしい。 聞いた話によると、拓哉君はビルの屋上から飛び降り自殺したらしい。 何に悩んでいたんだろう。お母さん1人残して自殺するぐらいだ。相当の悩みだったんだろうな。 ・・その時に、僕が話を聞いてあげてたら。 息子さんにせめて、お礼でも言いたかったけど。 カランカラン。 「よ、ユージ」 そんなことを考えていたら、タカシが女の子を連れて入ってきた。 まったくもう。 「タカシ、 まだ開店前だってば。 その子は?」 「俺の高校の生徒でマリア。 悩んでることがあんだとさ。」 「よ、よろしく・・お願いします」 マリアちゃんは、下を向きながら答えた。
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