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ヘランはあなたが大好きなの。
一度でいいから、血みどろになった貴方を見て見たかったの
ヘランは落ちていく勇者の映像を見ながら薄ら笑いを浮かべる。
だって、もうヘランの手の上だもの
だから何してもいいよね
ヘランは勇者様の全てを見たいの
だから、いいよね
死なない程度の怪我で血みどろになって?
けれど勇者は罠を避け、血1つ見せない。
その勇ましい姿に、ヘランは足元から湧き上がってくるゾクゾクとしたものに興奮を覚える。
ああ、素敵
流石勇者様
そうよね、そんな簡単な罠じゃ怪我もしないわよね
だからヘランは発動したよ
落とし穴を
落ちたらいっぱい罠があるの
全部、普通の人なら死んじゃうけど、勇者様なら大丈夫だよね
だって勇者様だもの
勇者様なら死なない程度の血みどろになれるよね
安心して、勇者様
いっぱい怪我をしても
ヘランがぜーんぶ治してあげるから
穴を落ちていきながらも冷静に、鎧を纏ったまま浮遊の為の風魔法を唱える勇者に、ヘランはうっとりとし溜息をつく。
ああ
流石、私の大好きな大好きな勇者様
大好き。すごく大好き
愛してます、勇者様
「だから」
映像の向こうの勇者にヘランは掌を向け、魔法を発動する。
「私をいっぱい、楽しませてね」
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