ここはだれ?おれはどこ?

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*** 視線を感じる 直感でそう思い、俺は辺りを見回した。 だが、誰もいないし、何かのレンズの光も見当たらない。 気配も、音も、何もしない。 「気のせいか……」 どこか納得のいかないものを感じながらも、鉄格子に向き合った。 両手を空けるため、光の珠を天井に向かって投げ、電気の変わりにする。 光は丁度天井の真ん中あたりにひっつき、鉄格子の部屋を全て照らしていた。 その光で鉄格子の向こうも見えたが、タイルの床が見えるだけで、その向こう側はひたすらの暗闇だった。 「よし」 俺は足を一歩引き、手を構えると、前足にぐっと体重をかける。 「うおりゃあ!」 掛け声と共に蹴りを繰り出す。 ガン 「あああああ」 足の先に痺れが残るだけで鉄格子はビクともしなかった。
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