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「ちっくしょ……次は!」
足の痺れに涙を目に浮かべるも、すぐにひいたので立ち上がって踏ん張り直す。
両の手をパンと合わせ魔力をため込む。
「爆ぜろ!」
両手を前に突き出し叫ぶ。
人一人を飲み込めそうな火の玉が発動し、鉄格子に向かって一直線に飛ぶ。
そして。
跳ね返った。
「ああああ!?」
思わず素っ頓狂な声を上げながら急いで同じ水魔法をぶつけた。
ジュワッ、と魔法がぶつかり合う音がして、水蒸気が辺りに立ち込めた。
「ゲホ、ゴホ」
驚きと困惑でせき込み、水蒸気を手で払いながら鉄格子に近づく。
手を伸ばし、触れてみる。
暫く掴み、ちょっと魔力を込めた。
ピリッ、と痺れを感じ、魔力が逆流したのを感じた。
「魔法反射じゃねぇか! 誰だよこれ作ったの!」
思わず怒りながら声を荒げ鉄格子を蹴り上げてしまい、また襲い来る痺れに蹲った。
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