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「まぁぁあ!」
少女は染まる頬に両手を添える。
悔しがる顔
痛がる顔
苦しそうな顔
その全てが愛おしい
なんてなんて素敵なのでしょう
どんな暗闇の中でも光る彼の存在
愛してやまない彼の一挙一動が楽しくて仕方ない
今、彼は
私の掌の上
「ハァア……なんて、素敵なことでしょう」
彼を掌の上で転がすことを夢見て彼のための監獄を作った少女は感動で目を潤ませた。
簡単に脱出してしまっては意味がない
悪戦苦闘して脱出する姿を見たいのだ
脱出できなかったら……彼は一生
「キャッ」
自分のもの、という言葉が頭に浮かび、誰に見られているわけでもないのに少女は思わず顔を覆い隠した。
「ああ、嬉しい……彼は私の手の上……さぁ、もっと、もっと、貴方を見せて……私だけの貴方を見せて」
興奮で息を荒げながら、映像の向こうの彼を彼女は一心不乱に見つめた。
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