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 野村こども園。読んで字のごとく、子供を預かる施設である。俺が昨日面接に行ってきたのはそこだった。俺の家から自転車で十分通える距離だ。  何でも、叔父さんの知り合いが園長で、最近自治体から「保育所等におけるICT化の推進」を目的とした補助金がついて、システムを導入したんだが、それを専門的に扱える人がいないので雇いたい、ということらしい。それで、もともとIT屋の俺に白羽の矢が立ったというわけだ。  面接は滞りなく済んだ。面接官は二人、園長と理事長だった。園長は五十歳くらいの恰幅のいい女性で、人当たりはとても良さそうな人だった。理事長は結構なお年の男性だったが、はきはきと喋る印象だった。  そして、本日、俺の携帯に園長から電話がかかってきて、採用が告げられたのだ。早速明日から来てくれ、と。とは言え、三ヶ月は試用期間で、正式な採用はそれが終わってからになるということだった。それでも無職よりは遥かにマシだ。俺は大喜びだった。
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