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 転職して最初の土曜日。もちろん休日である。これまでの疲れを癒すため、俺は午前中ずっと惰眠を貪るつもりだった。  しかし。  いきなり携帯が鳴る。相手は園の番号だ。 「ふわい……もしもし……」 『あー、やっぱ寝てたか……起こしちまって、ワリィなあ』  その声は……「パソコン四天王」最後の一人、デフォの「サイトウ」こと、斉藤マコト先生だ。一応「女」ではある……が、名は体を表すというか……髪はバッサリのショートだし、体型はスリム。声も低いし、性格もサバサバしてて、なんだか口調も男っぽい。しかも俺とタメ年で、初対面でいきなり  "紛らわしいからさぁ、お前はアタシを『マコト』と呼べ。いいな、ヨシユキ"  などと言われてしまい、かといって呼び捨てにするのも気が引けるので、俺は彼女を「マコトさん」と呼んでいる。とにかくかなりボーイッシュな人なのだが……
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