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 今にしてみれば、その理由がよく分かる。彼女は俺に一番近い場所にいただけに、おそらく今回の件で一番傷ついたのだろう。彼女は意外に繊細だったのかもしれない。ガサツなように振る舞っているのは、そんな自分を隠すための鎧なのかも……  なのに、俺はそんな彼女を深く傷つけてしまった。だから、俺には彼女と付き合う資格なんか、あるとはとても思えない。  それに。  これは三人の誰と付き合うにしても言えることだが、主任に仲立ちされるのは、俺はどうにも気に入らなかった。言っちゃなんだが、俺にしてみれば、主任に比べたら三人の誰もが見劣りしてしまう。そんな気持ちは、おそらく俺の態度に多かれ少なかれ表れるだろう。そしてそれは、彼女たちをまた傷つけることになる。  三度、俺は横に首を振った。 「……なんだと?」主任の顔が険しくなる。「マコもダメなのか? 君、どれだけ贅沢なんだ……面食い過ぎるのも、いい加減にしておいた方がいいぞ?」 「すみません……」 「あ、それとも何か? ひょっとして、君、あの三人以外に意中の人がいるのか?」
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