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最初につかまった子
最初につかまり独居房
ぽつんとひとり 最初のひとり
僕に才能はないようで
次々につかまる友を見て
「こちらへおいで」と手招きする
いつまでも逃げ続ける
あのしなやかな肉体が眩しくて
闇の中に逃げ道を探し
出口の見えない炭鉱で
泥と疲れにまみれていく
少しずつできるようになってきた日常業務
また現れた鬼に向かって
「こっちに来るな」と石を投げつける
野次を飛ばす才能だけはあったのだと
皮肉混じりに笑ってしまう
そんな自分を許せなかった
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